
被災地支援活動! 3月【いすず苑】
能登半島地震の被災地支援のための災害派遣福祉チーム(全国老施協DWAT)が派遣されました。
いすず苑からは、山口 職員が参加し令和7年3月4日~令和7年3月6日の3日間
石川県輪島市内にある特別養護老人ホームで支援活動を行いました。
今回は、貴重な経験談に加え、近い将来この地域での発生が予測されている南海トラフ地震を踏まえ
助言を頂きたいと思います。
質問 この度の能登半島地震の被災地での支援活動お疲れ様でした。
早速ですが、現地での活動内容についてお伺いしたいと思います。
山口 私は輪島市内の施設で、ご利用者様の身体介助をはじめ、入浴介助、食事介助を中心とした支援を行いました。
質問 被災地の実情は伝わりづらいことがあります。物資等は足りていたのでしょうか。
山口 震災から1年以上経過していることもあり物資不足はありませんでした。その一方、いまだに
浄化槽が使用不能のままであったため、簡易トイレを使用せざるを得ないなどハード面での復旧の
遅れを感じました。
質問 活動期間を通して特に印象に残っていることや、苦労したことがあれば教えて下さい。
山口 現地職員の中には、自らも被災し仮設住宅で生活されている方もおられました。様々な不便や苦労は
察して余りあるものがあります。しかし、そのようなことを微塵も感じさせることなく、きびきびと
働かれている姿が印象的でした。我が身に置き換えたとき、同じように振舞えるのだろうかという
思いが脳裏をよぎりました。
災害派遣福祉チーム(全国老施協DWAT)として現地入りした山口職員(左)と
受け入れ施設の谷口施設長(中央)
質問 山口さんの支援活動は、簡単にできる事ではないように思えます。
何が、あなたを突き動かしたのでしょうか。
山口 この度の活動自体は施設からの要請が発端となっています。要請を受け、何が自分に出来るのかという疑問と
不安が入り混じりましたが、少しでも誰かの役に立ちたいという想いが凌駕し、私を駆り立てました。
質問 最後に、この地域でも南海トラフ巨大地震などの大地震の発生が懸念されています。
今回の貴重な経験から得たものからの助言があればお伺いしたいと思います。
山口 受け入れ先の施設長から、震災直後は余震もあるなかで安全確認を取りつつ見守りを可能にするため、利用者様を1箇所に集めた
という話を伺いました。その一方、ご利用者様一人ひとりの安全を鑑みると、それぞれの居室で過ごしてもらった方が良かったの
かも知れないと、発災直後の対応の難しさに苦悩していました。この点に関しては、私自身も非常に悩ましく感じています。
もちろん、被災状況に左右されるところですが、まだ明確な答えを得るには至っていません。それでも 「そのとき」が来たら、
いすず苑はどうするべきなのか、既存の方策を更に深く検討するべきではないかと思います。もし、私の経験がその一助になるの
であれば幸いです。
山口職員の活動が、多くの方の力になったことは疑いようがありません。
報道や、頭の中での想像するだけでは分からないことも多くあります。
「いざ」というときに備え、現地を見て、肌で感じた方の言葉は何よりも価値のある
ものだったではないでしょうか。